会社の倒産なんて怖くない、倒産との向き合う方法

社長
当社は創業25年。地方都市にて内装工事を営む中小企業です。ここ数年、赤字が続いており、資金繰りも厳しくなってきました。先月は、大口の支払先の決裁を待って貰いました。
このまま行くと資金がショートして倒産は免れません。銀行の追加融資も断られました。これまで、ワンマン経営を続きましたので、誰かに相談しようにも出来ません。そもそも誰に相談すればよいかも分かりません。
借金の取り立て、家族の生活、自宅、従業員の生活などのことを考えると夜も眠れません。もう駄目なのでしょうか?不安で仕方ありません。
弁護士吉村雄二郎

倒産の窮地にあるご心労お察しします。 ただ、やみくもに不安になられていないでしょうか?現時点での不安の正体は、いまの状態、そして、このままの経営状態が続くと会社、従業員、自分の生活・自宅がどうなるのか「わからない」「知らない」ことにないでしょうか?まずは、「知る」ことからはじめましょう。そうすればやみくもに不安になることは解消されます。また、それほど「怖い」ものではないこともおわかり頂けると思います。少しでも経営状況に不安をもたれているのであれば、相談するタイミングは「今」です。早ければ早いほど、打つ手はたくさんあるのです。

1 倒産なんて怖くない。最悪破産しても、生活はやっていける。
2 恐怖の正体は、「知らないこと」。まずは、「知る」ことが大事。
3 早めの相談が選択肢を増やす。まずは相談し、「知る」ことが大事。

1 倒産なんて怖くない!?

売り上げが低迷気味だ。手形決済資金が間に合うか。
売掛金の回収が滞っている。銀行の借り入れが一向に減らない。利息の支払がやっと。従業員への賃金の支払の負担が重い。新規借入が出来ない。・・・etc
とにかく不安で最近あまり眠れない。酒の量も増えている。

(1) 社長の不安は尽きない

中小企業の経営者の皆様の悩みは尽きません。不安も多く、どうしたら良いのかもわからない。そんな社長も多いのではないでしょうか。

恐怖のあまり、「眠れない」「食欲がない」「周りの人から痩せたと言われる」社長も多いと聞きます。

では、なぜ「怖い」のでしょうか?

(2) 「知らない」から怖い

人は得体の知れないものに恐怖を感じるものです。

会社の経営難はいわば人間の病気と同じです。具合が悪いという自覚はあるのだけど、一体どこが悪くて、この先どうなってしまうのだろうか、という心配に似ています。
自分の体のことで恐怖を感じるのは、病院にもいかず、具合が悪いときではないでしょうか?

例えば、最近、胃の調子が悪く、改善しない。もしかしたら、胃がんかも知れない、などと不安を募らせることはありません。

そのとき、人間の病気の場合、まずは病状を冷静に把握しなければなりませんよね。
病院に行って、医者に体の不具合の状況を話したり、レントゲン、CT、MRI、胃カメラなどの検査を受け、体のどこにどのような問題があるのか、を冷静に見極めてもらいます。

検査の結果、実は大した病気ではないことが分かることもあれば、大きな病気が見つかるときもあります。大きな病気が見つかったとしても、その原因を除去する為に、体に負担の軽い投薬などの治療から検討し、抜本的な解決の為に手術を受けるも出来ます。

いずれにしても医者という専門家の診断や検査を行い、自分の病状について知ることができれば、少なくとも得体の知れない不安感・恐怖感は消えます。

経営難の会社もまずは会社の経営状態や今後の対応策を「知る」ことで、得体の知れない、不必要な不安は解消できるのです。

(3) 社長の不安

経営難に陥っている経営者の不安は次のようなものではないでしょうか?

金融機関に経営難がバレる恐怖

融資を断られる恐怖

融資がストップされ,資金が足りなくなる恐怖

資金が足りなくなり,手形不渡りとなる恐怖

手形不渡により,会社が倒産する恐怖

会社倒産により,マイホームや資産を取り上げられる恐怖

マイホームや資産を取り上げられ,家族が生活できなくなる恐怖

家族が生活できなくなり,借金取りに一生追われる,離婚・一家離散・夜逃げの果てに死ぬしかないという絶望感

このような思考プロセスを経て、「もう駄目だ、死ぬしかない」「一家無理心中」などと考えてしまうのではないでしょうか?

全く間違った考えです。

金融機関に経営難がバレる恐怖
↓ →バレても,再建計画を示して協力をさせることも可能
融資を断られる恐怖
↓ →合理的な再建計画を示して融資を受けられることもある。
融資がストップされ,資金が足りなくなる恐怖
↓ →融資が得られなくても,緊急の資金繰りでしのぐ方法ある
資金が足りなくなり,手形不渡りとなる恐怖
↓ →手形不渡りを防ぐ方法がある。
手形不渡により,会社が倒産する恐怖
↓ →最悪不渡りになっても,倒産させない方法はある。
会社倒産により,マイホームや資産を取り上げられる恐怖
↓ →倒産しても,生活をしていく為の資産やマイホームを残す方法はある
マイホームや資産を取り上げられ,家族が生活できなくなる恐怖
↓ →マイホームがなくなっても,普通に生活していく方法はある。
家族が生活できなくなり,借金取りに一生追われる,離婚・一家離散・夜逃げの果てに死ぬしかないという絶望感
  →破産手続で借金は0にできる。借金取りはそれ以上追求不可能。
→離婚・一家離散・夜逃げする必要は全くない。

  →死ぬ必要なんて一切ない。借金0からやり直して、再就職や再び会社を経営することも可能。

ということなのです。

どうですか?これだけでも、間違った認識がおわかりいただけたのではないでしょうか。

2 精神的なゆとりを保つ為にもまずは相談!

(1) まずは相談

「知る」ことで不安を減らし、「倒産」と向き合うことの重要性はおわかり頂けたと思います。

そして、会社の再生をするにあったっては、相談は早ければ早いほどよい、というのは間違いありません。
なぜなら、病気と一緒で、初期症状であればあるほど、取るべき処置方法は多くあり、また、負担の少ない方法も選べるのです。

ガンも早期発見により投薬治療で完治することがあります。
これに対し、病気が進行しすぎて、「外科手術」しか選択肢がないと、体への負担、精神的負担、休業の負担、費用の負担、そして死のリスクも降りかかってきます。
相談・検査は早ければ早いほどいいに決まっています。

相談が、早すぎて困ることは、経営状態の心配事が杞憂に終わり、相談費用が無駄になることくらいでしょうか?
でも、それで安心して経営に出来るのであれば相談費用なんて安いものです。
また、相談だけの費用であれば、どの専門家に相談しても大した費用になりません。必要経費でしょう。

(2) 誰に相談する?

・税理士(会計士)
・弁護士
・コンサルタント
・取引先・取引銀行
・家族・親族
・公的機関(中小企業再生支援協議会等)

が挙げられます。

相談先 特徴 メリット デメリット
税理士・
会計士
財務会計の
専門家
顧問税理士・会計士であれば、会社の財務状況を最も身近で把握できる立場にある。企業再生に精通している場合は、非常に強い味方になってくれる。 ・顧問税理士であっても、企業再生に精通していない場合は、役に立たない。
・債権者との交渉代理権限がなく、法的手続の代理権限もない。
・法的知識が欠ける為、対応を誤ることもある。
弁護士 法律の専門家
法的代理権限について独占的資格
・法律関係については精通している。
・債権者との交渉代理権限、法的手続代理権限を持つ。
・ 資金繰り・財務にも精通している場合は非常に強い味方になってくれる。
・企業再生に精通していない場合は、役に立たない。
・資金繰り・財務の知識がない場合は使えない。
コンサルタント 多種多様、専門性に疑問がある場合も多い。 ・財務会計や法律以外のノウハウを持つ場合がある。
・ビジネスについてのアドバイスが出来る場合がある。
・債権者との交渉代理権限がなく、法的手続の代理権限もない。
・法的知識が欠ける為、対応を誤ることもある。
・無資格で、不正行為を行う者も多い
取引先・
同業者
専門家ではない。
利害関係がある。
・支払・融資などについて協力してくれることもある。
・スポンサーとなってくれることもある
・情報が漏れて信用不安が広がることもある。
・法的知識・会計知識がない。
・利害が対立する場合、会社を追い込むこともある。
取引銀行 会社の財務状況を知りうる。
利害関係が対立する。
・リスケなどの協力をしてくれることもある。
・主導して再生に協力してくれることもある。
・融資やリスケを拒否する可能性がある。
・預金ブロックする可能性がある。
家族 味方。
一蓮托生。
・精神的な支えになる。
・資金援助してれることがある。
・経営を手伝ってくれることもある。
・再生・税務・会計の専門家ではない。
・自己の保身の為に、再生を妨げる行動に出ることがある。
公的機関(中小企業再生支援協議会等) 中立・公平の立場 ・中立公平な立場なので、銀行や債権者の協力を得やすい。
・手続を透明化できる。
・中立が故に、会社の立場に立って再建策を考えてくれるわけではない。
・対応スピードが遅い
・お役所的立ち回り

それぞれの特徴をみて、「納得がいくまで」、「複数に」、相談するとよいでしょう。

よくある悪い例

「●×銀行」、「××金融機関」、「再生機構」、「元官僚」・・etcなど、「元」●●のコンサルタント人達です。経歴ばかりをダラダラしゃべるだけで、会社の状況が具体的再建策についてアドバイスがない場合。

→肩書ばかりを協調する人間にロクな奴がいないことは経験則。

顧問税理士・会計士だが、担当者に相談しても「いや~、どこの会社さんも大変ですね~」と言って定例の仕事をしてそそくさと帰ってしまう場合

→顧問税理士・会計士だからといって、再生の専門家とは限りません。関与先が潰れかかると、何の手立ても出来ない、しない税理士、会計士は腐るほど見たことがあります。

「う~ん、債務超過ですね~。民事再生手続ができないなら、破産するしかないですね」という弁護士

→会社の資金繰りなどの実情や、法的手続以外の再建方法をロクに検討もせずに、自分にとって楽な法的手続を勧める弁護士は、使えないと思って下さい。我が同業ながら、こういう弁護士はたくさんいて残念です。

・親身になって良く話を聞いてくれる。
・税務・会計資料にもしっかり目を通してくれる。
・納得がいくまで、何度も、分かりやすく説明を尽くしてくれる。

3 企業再生を考えるタイミングは?

早ければ早いほどよい!

借金は恐くないこと、立ち直る為の再生方法はたくさんあることをまずは知り、さらに自分の会社の現状をありのまま把握することが非常に大事です。

これは病気の診断を受けることと同じ位に非常に重要なことです。「倒産しない」為の第一歩は相談・情報収集といっても過言ではありません。

不安を抱えているだけで、何も行動に移さなければ、事態は変わりません。

また、病気を放置すると病状は進行してしまうのと同じで、会社の窮境状況は刻一刻と悪化していきます。

そして、早ければ早いほど、打つ手が多くあります。「あと1年早ければ、もっと楽な方法がとれたのに・・・」「あと1ヶ月早ければ倒産しなくて済んだのに・・」という事例は枚挙にいとまがありません。

相談するだけで精神的なゆとりを確保できることも多いのです。

ですから、少しでも思い悩んだら、今すぐに相談されることをお勧めします。

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